吉田兼好の「徒然草」に
「高名の木登り」
という一節があります
ベテランの木登りが
弟子のひとりに、危険な高さの木を伐る仕事を
命じた時のこと
慎重に木を昇ってゆき
無事に木を伐り終えた弟子が
梯子の最後の一段を降りようとしたとき
これまで様子をじっと見ていた
ベテラン木登りは、初めて口を開き
「気をつけて降りなさい」と言います。
何故、危ない高さでは何も言わず
安全な所に来て初めて
注意するのか
と訝しがる弟子に
安全で、簡単だと思ったその瞬間が
一番集中力が欠ける瞬間であり
そこで足を踏み外し、怪我をすれば
全てが台無しになってしまうのだ
というエピソードです
ハイヒールに於いても同様
美しく歩く際に意識すべき点は
母子球への意識
膝を限界までプッシュすること
背中を反らさない
腹筋を最大限に引き上げること
等々
無数にあります
後ろ足を地面から離し
前に運ぶ過程で
如何に意識を入れ
正しいポジションをキープできたとしても
最後の一瞬
爪先から着地する瞬間に
意識が抜けてしまえば
エレガンスは瞬時に消えてしまいます。
美しく在るためには
僅かな一瞬たりとも意識を欠かすことなく
最後の瞬間まで
意識を入れておくことが重要となります
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