5/07/2019

美を掘り起こす

東京国立博物館にて
「東寺-空海と仏像曼荼羅」を鑑賞した

私の趣味の一つは
美術館に足を運び
芸術を鑑賞することであるが

写真や映像で観るのと
実際に本物を観るのとでは
当然ではあるが
浴びるエネルギーが全く異なる

時空を超えて、受け継がれてきたエネルギー
連綿と受け継がれてきた歴史の重みに
思いを馳せると同時に

災害や戦争を生き抜き
こうして向き合い、対話出来るという幸運に
ただただ
感謝の念が込み上げて来る

仏像ともなると
そこに
人々の様々な祈りのエネルギーが加わることで
更に崇高さが増すように感じられる


美術館では、仏像は祈りの対象ではなく
完全に美術品として扱われるのもまた興味深いが
こうして間近で、細部の美を鑑賞できること

加えて
普段は拝見できない
背後の姿を目にすることが出来るということも
また貴重な機会である

仏像とは
多くが一木造である

優れた仏師には
一本の木を見ることで
その木の中に仏の姿を見出だし
文字通り「掘り起こす」のだという

完全なる姿を掘り起こすには
ただ只管に
余計なものを削ぎ落せば良いだけであると


神経を集中し、繊細な一刀を重ねてゆけば
美しさは自ずと生まれるのだと

ハイヒールの哲学と重ね合わせるとき
私たちもまた
ハイヒールによって
自分の中から美しさを掘り起こすことが出来る
と確信する

踏み出す一歩に
繊細に、神経を集中し

一つ一つ
眠っている筋肉を意識して動かすことで
無駄なものを削ぎ落し
自ら、美しさを生み出してゆくことが
出来るのである


美しさとは
意識を集中させ、繊細に掘り起こすもの


その美しさは、時空を超えて
人の心を震わせるものなのである







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